ソケイヘルニアの治療法とは

ソケイヘルニアとはいわゆる脱腸のことです。そけい部(股のつけ根付近)の筋肉(腹膜)の隙間から内臓を包んでいる膜(腹膜)が脱出してしまう病気です。乳児か若しくは40歳以上の男性で、腹圧のかかる仕事をしている人がかかりやすいといわれています。放っておくと飛び出した腸が元に戻らなくなってしまうことがあり、さらに腸が壊死を起こし命にかかわることもあります。治療は手術しかありません。

飛び出した腹膜を元に戻し、腹壁を修復します。乳児の場合この病気は生まれつきで、おむつを取り替えるときに泣くとか、そけい部に腫れた部分ができるとかいったことからソケイヘルニアは発見されます。乳児のヘルニアは放っておいても自然に治ることがありますからすぐに手術する必要はありませんが、なかなか治らない場合は、腸が戻らなくなり壊死するのをを避けるために手術をします。かつては筋肉を縫い閉じる手術を行っていましたが、術後の痛みやひきつれ感がひどく、また再発率も約10%と高いことから、現在では合成繊維で作られたメッシュを用いて腹壁の補強をする方法が主流となっています。これには腹壁の後面にメッシュを敷くク―ゲル法と前面に敷くリヒテンシュタイン法の二つの方法があります。いずれも手術時間は30分程度で、数日の入院が必要です。

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