癌の治療で放射線治療の目標は、正常な細胞を最大限に保護しながら、すべての有害ながん細胞を破壊することです。場合によっては治療がもはやできない場合、患者の症状を緩和させたり、癌の成長を抑制させるために使用されることもあります。
根治的放射線治療とは、完治を目的として実施される治療のことで長期間の治療期間がかかります。腫瘍が比較的局所的な状態にとどまっており転移がないか、転移があっても、原発病巣に隣接しているときの根治的放射線治療は、完治のために、単独であるいは主な治療方法として使用されます。解剖学的位置やその他の理由で、手術療法で腫瘍の完全切除が不可能であるか、転移が疑わしい場合は手術後にしたりします。また、他の癌の治療方法(手術、化学療法など)が実施される前または後に補助的治療として使用されます。
緩和的放射線治療とは、癌が発見された当時、かなり進行しているか、遠隔転移を伴って治癒の可能性がない場合があります。このような患者の場合、病理学的骨折や脳、脊髄、上大静脈などの主要機関で現れる圧迫や血管の閉鎖などの症状を予防または軽減させる目的で、放射線治療を行います。このような緩和的治療の反応は、癌の種類や患者の状態に応じて異なることがありますが、患者の約70~80 %程度は、症状緩和の効果を見ることができます。